2015年7月24日、27日付 日本経済産業新聞 『中小企業の海外展開のツボ』に掲載されました。
(全文は以下の通り)
エイゴで初めての営業の際も自信が持てるちょっとしたコツがあります。
1 名刺交換 握手
冒頭に役職順に一斉に行う日本式の名刺交換、実は海外では一般的ではありません。
より重要なのは、初対面の一人一人と堂々と向き合い、短めの自己紹介を交わし、爽やかに“やや強め”の握手をすること。
そこから名刺交換する場合もあれば、無しでスモールトークに入る場合もあります。
ただ触れているだけ、手を出しているだけの握手は避け、もし女性から手が出されない場合、男性は握手を求めるのは控えます。
名刺の扱いはカジュアルで、手裏剣のように名刺を滑らせて、机端の人にパス、肘で複数枚が落下も話に夢中など、調子が狂いますがお気になさらぬように。
帰り際にさてメールはどこに送ればいい?と聞かれた時が名刺を渡せるタイミング、ということもままあります。
2 視線、反応、態度
- 相手の目をしっかり見て話す
- 良いことも悪いこともフェアに伝える
- 質問には誠意を持って答える
- 常に相手に貢献する姿勢を見せる
- 打合せでは硬くなり過ぎずリラックスして相手の話を聞く
などは好印象です。 - 視線が泳ぐor合わせない
- 手を机上に出さない
- 相槌や説明の省略
- どちらとも取れる返事・表情
- 今ここに集中していない落ち着かない態度
などは理解が難しく支持されません。
3 結論から話す
まず結論から話し次に理由を述べます。
褒め言葉や感謝の意と共に一番言いたい事から話します。
内容が“説明”になっていないか注意します。説明となると本格的な英語力が必要です。
ここは結論か理由に内容を絞り確実に伝えることを優先させます。
4 主導権
「もう少しゆっくり話して下さい」とリクエストしても速度があまり変わらない時もあります。
完全に迷子になる前に会話を一旦遮って、聞き取れた最後の単語の語尾を上げ「??」の表情で場を暫し止め、会話の主導権を取り戻すことも時には重要です。
5 プレゼン資料
- 〇や×ではなくexcellentやpoorと表記する、
- 通貨や単位を合わせる、
- 数値データや試験結果を添付する、
- 図解や写真で直感性を高める、
- 論理性を保つ、
等の誤認識防止や理解促進への工夫を意識します。
6 聞かれることは3つだけ
エイゴのハードルを上げ過ぎていませんか。
実際の営業の場で聞かれることは主に会社のこと、商品のこと、ご自身のことの3つです。この3つのテーマを深堀すれば商談上必要なやりとりは網羅できます。
途中で話が脱線しても常にここに立ち返ることで、ブレずに営業トークを続行できます。
具体的には、社長のユニークさ、企業理念、業界や競合動向、強み、開発秘話、この仕事に出会ったきっかけ、ライフワークについて等など、
普段営業先で何気なく話している事をA4用紙(各テーマ1枚)裏表いっぱいに箇条書きし英訳、そして丸暗記します。
エイゴでの営業は、話せる内容のストックが少し出来ただけで、ぐんとラクに楽しくなります。
7 自信を持つ
まだ拙いエイゴで営業していた頃上司から助言されて勇気が出た言葉があります。
「この商品のことを一番分かっているのは毎日この商品を売っているあなた。
そのあなたの言葉で説明するから彼らに響くし信用もされる。
自信を持って堂々と今のあなたのエイゴで営業すれば良い。」
今、これを読んで下さっているあなたにも、同じ言葉を送ります。