Paccloa
2018.02.12

【2018年1月刊行】中小機構 海外出展ハンドブックに掲載されました。

海外出展ハンドブックとは?

株式会社パコロアのインタビュー記事は108ページ~115ページに掲載されています。下記に本文を再掲します。

海外出展ハンドブックは全国の中小機構様においても入手できますが、式会社パコロアからもご希望の方先着5社様にただいま無料発送をしています。問い合わせページから海外出展ハンドブック希望とお気軽にご連絡下さいませ。

本ハンドブック(全カラー207ページ)の“はじめに”にはこのように書かれています。

海外展示会はしっかり準備を行って臨めば、だんだん前向きに、楽しくなってきます。しかし、最初に行うべきことを行わないと、だんだんうつむきに、苦しくなってきます。この本をご活用いただいた中小企業の皆様が、海外展示会から楽しい気持ちでご帰国できるよう成功をお祈りしています。

 

みなさまの海外出展がぜひ、次につながる新しい扉の1つになりますように。 

中小企業の出展は一発勝負、仮説を立てて戦略的に

海外展示会には、数回続けて出ないと成果が出ないと言われますが、私は「1回でも成果は出せる」派なのです。

同じ展示会に繰り返し出るなんて多くの中小企業様には高いハードルではないでしょうか。

私が中小企業で働いていた頃、つねに予算はないと言われていましたし、いま支援させて頂いている企業の皆さまだって一発勝負の覚悟。「これがあかんかったら、海外あきらめる」といった崖っぷちで挑んでおられます。予算的にも時間的にも2回目はない前提。

だったら、事前準備をしっかりするしかありません。

補助金がついたからといって準備も目的も詰め切ることなく出展してしまうと、パンフレットを配る、名刺交換する、詳細は後でメールする、そしてメールの返事は来ない、で終わってしまいます。

展示会は、実はそのようなことをしに行く場ではなく、色々な可能性のある来場者との具体的な雑談や商談を通じて、自分たちが海外展開に対して持っている「仮説」の答え合わせに行く場なのです。

「マーケティング調査」の出展では帰ってきてからが辛くなる

準備には、平均で1年かかるとお伝えしています。

初出展でも密度の濃い商談をして複数の引き合いを得ようと思うと、そのくらい手間と時間がかかってしまうのです。

“準備が9割”を過小評価される企業さまは共通して、「1回出てみないとわからないし、マーケティング調査で行きます」とおっしゃいます。

わたしがいつもお伝えするのは、「帰ってきてから辛いのと事前準備で忙しくて今辛いのとどちらが良いですか?」です。

なにがどう辛いかというと、準備が不十分での出展では帰国後やることが何もなく本当に辛いのです。お礼メールを送っても返事はこないし、1件も受注できていない。

社内からは「海外展開は掛け声だけ?」みたいな目で見られます。

何百万円もかかったうえに、社内のモチベーションも下がって、うちは海外ムリなんじゃない?と早々にまわりから結論を出されてしまうことも。また、海外展開は文字通り「全社一丸となって」海外で販路拡大するという目標を持っていないと成功しません。

輸出をするとなると設計・製造部では海外向けの仕様を考えなければならないし、経理部は海外向けの請求書や外国為替に対応することになります。

その準備や心づもりができていないまま、社長や営業サイドの情熱だけで出展しても、社内の協力がなければその後が続けられないのです。

徹底的に「準備」をすれば展示会に出るのが楽しみになる

なかにはどうしても「まずは視察しに行きたい」とおっしゃる方もいらっしゃいます。でも、出展より視察の方が実はかなりむずかしいのです。

ブース費用をかけて出展している外国企業への逆営業ということになりますので、ふわっとした目的意識で行くと普通は収穫は得られません。

展示会のオフィシャルサイトや主催者のサイトを見て、あるいは去年の出展者リストや開催記録、会期中の様子を調べ上げたうえで、逆営業トークをしかけて、やっと良い情報は引き出せます。

ね?むずかしいと思いませんか(笑)。

私はやるべき準備を厳しく追求するのでスパルタ~とよく言われますが、それにはちゃんと理由があります。そもそも海外、とくにアジアの競合は厳しい環境に慣れています。

国は支えてくれないし何から何まで自己責任、誰のことも信用できないという中で、自力で海外に出るしかないと腹をくくって攻めてくるのです。

そんな海千山千の競合たちが当然するであろうこと、たとえばターゲットとなる市場や企業、商品や価格の下調べなどは当然やっておかないと、商談の入り口にすら立てない。国内の延長線で考えていると取り残されてしまいます。

でも、やるべきことを乗り越えたら、あとはとても楽にもなります。
引き合いが来ることを前提にフォロー体制をつくっておけば帰国後すぐから取引が開始できますし、外国企業との取引ノウハウの蓄積は会社の財産になり、他の国に出展する際にも応用できます。

だから、1年しっかり準備した企業様は、「展示会が楽しみになってきました」っておっしゃるんです。「よっしゃ来い!」とわくわくして、すごい団結力で展示会当日を迎えます。

でも、準備ができていない企業様は、「どうしよう、何聞かれるのかな」と不安でいっぱいになってしまいます。この時点でもしかすると勝敗がついているかもしれません。

初出展で結果を出したい企業様は、準備不足による失敗を防ぐ「海外展示会チェックリスト*」も参考になさってください。(*冊子内に掲載あり)

金銭的に「無理」と感じるなら海外はやめておく方が得策

アドバイスでは、私は最初にお金の話をします。

「出展準備のための人件費や渡航費、そしてブース設営、外国語版ウェブサイトの作成などで、国によりますが約3年で総額1500万円くらいかかる場合があります。しかもその間、売上げがゼロの可能性も。会社として耐えられますか?」と。

そこで、「とんでもない! ついでに海外も売れるようであれば売ろうと思っただけです」や、「1500万円かけて回収がゼロになるのはちょっと、、」と、感じるようでしたら現状のまま国内事業にフォーカスし続けた方が得策です。

「海外市場での最初の3年間の売り上げがゼロとは厳しいけれど1500万円かけてゆくゆくは3億円とったるわ」というくらいの気概や長期計画がないと海外展開を軌道に乗せるのはむずかしいのです。

自社の商品の強みを分析して出展国・展示会を決める

覚悟が決まったら、社内で話し合いの場を持ち、仮説でいいので予算を設定してください。初めてだとわからないかもしれませんが、まず想定してみるのです。出展する展示会も選びます。

その際、自社商品の強みは何か、何を訴求したいと思っているのかをきちんと分析して国を決めてください。

ここはすごく大事で、

自社商品にあったバイヤーが来る展示会でなければ成果が出ません。
補助金がつくからという理由先行で出展国を決めてしまうと、結局会いたいバイヤーには会えず時間を使っただけで終わってしまい、遠回りになります。

市場価格に関しては、自社と同ジャンルの製品をその国の名前を入れてインターネット検索すれば相場がわかります。

太刀打ちできない値段であれば避けるべきですし、チャンスを求めるのならば「高い」と言われたときに、「高いかもしれませんが、ここが優れています」という付加価値をどのように提案するかという作戦会議が必要になります。

自社でできることが増えれば予算も削減しやすくなる

このように事前に分かってきた課題をすべて片づけていこうと思うと、あっという間に1年が経ってしまいます。でも、焦らず着実に取り組んでください。

準備には、「目に見える準備」と「目に見えない準備」があり、「目に見えない準備」のほうが断然大事なのです。

目に見える準備は、英文の自社サイトやカタログ、ブース設営等ですね。それらは非常に大事ですが、ターゲット設定、流通確認、各国規制準拠といった目に見えない準備をしたうえで取り組まないと、何百万円かけても成果は得られません。

最初は外部のコンサルタントやブランディング会社など、たくさんの専門家の手を借りなければ進めないかもしれませんが、経験を重ねることで自分たちでできることがどんどん増えていけば、次第に最初のころより予算をかけずに進めることができるようになります。

自分たちで「仮説」「検証」し続けることが販路を拓く

最初の「仮説」が半年後1年後に変わることは問題ありません。

なぜ変わったか?の検証をしっかり詰めることが重要です。仮説を立てずに海外展開を始めることや、仮説1つ1つの検証をあいまいに進めることは、どのタイミングでなぜ変わってしまったのがにも分らない状況に陥る要因となるため注意が必要です。

海外展開しているはずなのに、いつまでも階段の踊り場にいるような企業様がまわりにいらっしゃいませんか。

5年も10年も海外の展示会に出ているのに成果が出ておらず、やや思考停止な状況から抜け出せない企業様。

たとえ途中で「A ではなくBがいいよ」と周りの人に言われても、自分たちが考え抜いてAという仮説を立てたのであれば、まずそれで出展して検証してみることが大事です。

その結果、間違っていたのなら、「○○なので、AではなくBだった」、

例えば、「富裕層に絞って展開するべきだと思ったが、富裕層への流通アプローチには実質中間層の何倍も費用が掛かるため、日本での2/3くらいの価格帯での中間層のマスを狙うべく仕様変更を検討した方がよい」などと理由を分析し、社内で共有したうえで、改めてBという仮説を持って出展してみるなどです。

海外展開では、この試行錯誤を何度か続けていくことになります。最初は無限の選択肢がありますが、経験を重ねることで選択肢はそう多くないことに気付き、遠くない未来には自分たちが進むべき道がくっきりと見えてくるはずです。

事前に必ず準備したいバイヤー対策の「Q&A」

海外展示会に出て、「なにをもって成功とするか」というゴールもしっかり考えておいてください。何百万円もかけて出展して、「50万円の輸出が年間1件ありました」では、ちょっと残念ですよね。

せめて投資額は回収しなければならないし、取引数も増えていかないと困ります。そのために必ず準備してほしいのが、バイヤーとの商談を想定した「Q&A」です。

ブースで聞かれるであろう質問をお客様の立場になって考え、それにうちはどう答えるかを、あらかじめつくっていってほしいのです。そうすれば動じることがないし、共有することで、スタッフ間で回答がブレるのを防げます。

日本の商品は「高い」と言われてしまうことが多いですので、回答もいくつか準備しておいて、どれがバイヤーに刺さるのか予想しておきます。

但し基本的には「高い」と言われたら、競合との比較検討に持ち込み、ロジカルな数値説明で総合的にはそれほど高くないかも、と納得させる「営業力」は海外でも必要です。

展示会場に来るバイヤーは、買い付け商品が既に決まっている一方、さらに良いものはないかを探していて、オープンな状態でざくっと見て回っている人も多くいます。

そういう人たちとブースで雑談しながら、「この商品、そういう経緯で開発されたのか」「それだったら、試してみようかな?」と興味や関心をもたせていくかが肝心。

あらゆる質問に的確に答え、こちらからいろんな提案ができる状態で行けば、数日間出展して1件も引き合いがないということはありえないのです。

全員に目的とゴールをシェアしてモチベーションをキープする

海外展開については、社長様の考え方がダイレクトに成果に反映されることが多いです。

とくに、つくれば売れた日本の黄金期を経験している世代の社長様、あるいは海外との垣根がなくなったネット世代の社長様は、これから発展していくアジアなら「出ればなんとかなるのでは」と少々強引なことも。

しかし、実際には海外での販路開拓にはさまざまな困難が待ち受けていますから、社内でコンセンサスがとれていないと、担当者は追い詰められて早晩潰れてしまうこともありえます。

そもそも社内の人たちにとって、海外展開するメリットは少なく自分には関係ないと言い切る方もいるほど。慣れない海外対応の手間仕事が増えるが給料は増えない。不満がくすぶるといつしか社内に亀裂も走ります。

海外展開1年目は投資回収に精一杯で、給与に反映できるほど売上をあげるには時間がかかります。この苦しい時期のモチベーションをどのようにキープするかというと、「なぜうちは海外販路開拓をするのか」という目的と、「それを達成したらどうなるのか」というゴールを従業員全員にシェアすることです。

「これからは国内市場だけでは売上げを伸ばし続けるのがむずかしい。海外展開のためにこれだけ投資をするし、輸出環境の整備のために各部署でこういう作業が増えるけれど、3年後には売上げが今の1.2倍になる見込みがある。会社が再び成長路線になれば全員に還元される」

というようなゴールが見えないと、やはり人はがんばれない。社内のモチベーションを上げるのも海外展開する上での社長様の大切な仕事です。

初回から注文がとれる社内環境を準備しておく

1回の出展で成果を上げるということは、初回からどんどん注文をとるということです。

せっかく引き合いがあったのに、輸出対応や知財の問題で取引が頓挫しないように、社内関連部署の環境を整えてから出展してください。忙しい展示会場では、「あとでメールします」とつい言ってしまいがちですが要注意。

なぜあとで?
今目の前にいるときに詰める話ではないだろうか?と自問自答して、逃げずに踏ん張ってヒアリングを続けてみてください。

価格交渉はもちろん、送料や決済、輸送方法もその場で説明して注文を確定し、帰国後輸出手配、あるいは仕様の本格的な詰めの協議というのがベストです。

渡航する前から渡航後の想定ができていると効率がいいし、お金をかけて出展した甲斐があります。

現地で売ってくれる人を見つけてどんどん別の国にシフトしていく

さらに言うと、ずっと同じ展示会に出続ける前提ではなく、その展示会では1〜2回で結果を出して後はその国の現地パートナーに任せ、次は別の国の展示会に出展する、あるいは、同じ国でも別の市場(業界)をとりにいくなど、どんどんシフトしていく、

これが予算も人材もキャパが限られている中小企業の攻め方です。

展示会は「自分たちの代わりに現地で売ってくれる人を見つけに行く」という位置づけです。

自分たちですべてを抱えPRに奔走するのではなく良いディストリビューターを一刻も早く見つけ、現地営業などは同行、もしくは早々にバトンタッチするのです。

さらに一緒にローカライゼーションを進めていくことができれば、自分たち日本人だけの頭で考えるよりも間違いも戻り幅も少なく効率的です。

いかがでしたか、、、自社だけでやってみたい!でも、

海外展示会出展を予定していて、すこ~し、若干、何となく不安になってきた方、あるいは、自社の進め方はまぁまぁ方向付けとしては間違っていなかったかな、確信が持てた、という方、色々いらっしゃると思います。

海外展示会のブースで、ディストリビューター、セールスレップあるいはバイヤーの方と、現地流通や最近の市場動向などについて話すと、貴重な情報がざくざく収穫できます。

それも適切な質問をすればこそです。

適切な質問は、事前にたくさん準備するなかで、みなさまの中で自動的に装備していけるものです。なぜならみなさまの商品はみなさまが一番が良くご存じで、一番売りたいと思っているのはみなさまご自身なのですから。

このあたり、もう少し社内で詰めて、海外展開を何とか成功させたいなぁとお考えのみなさま、株式会社パコロアにお気軽にお問い合わせください。

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