T社さま
文具製造/大阪市

越境ECや海外展示会など、海外展開に挑戦する中でなかなか成果が上がらない。
そんな中、現地に足を運び、ユーザーの生の声に触れることで見えてくるものがあります。
T社さまはアメリカ西海岸でのF/S調査を経て、単なる輸出ではない、自社のあり方そのものを問い直す機会を得ました。海外展開を目指しながらも、いま一度足元を見つめた軌跡をご紹介します。
T社さまの会社概要と事業内容
【業種】 製造業
【資本金】 5000万円
【従業員数】 100人
【設立】 1928年
海外展開を始める際の課題
- 汎用性の高い商品ゆえに現地でどう差別化すべきかが分からない状況
- 実際の現地ニーズや販路の実情も見えず、方向性の見極めが困難
- 社内に海外ビジネス経験者が不在で、手探りの展開に不安
支援で実現した実務的ステップ
- 海外事業計画書を策定し、目的を明確にしてF/S調査へ
- アメリカ西海岸での現地ヒアリングと展示会視察を実施
- 通訳や企業インタビューなど現地での人的支援をアレンジ
- 海外プレゼンの構成と伝え方の改善(ローコンテクスト対応)
支援後に見えてきた成果
- 市場ニーズが既存商品とずれていたため、新商品の必要性を認識
- 海外展開を通して国内戦略そのものを再構築する必要性を痛感
- 海外展開を見据えた長期経営計画の策定を開始
- 海外展開の難しさと同時に、国内での基盤強化の重要性に回帰
経営企画室長さまのコメント
F/S調査後、単に商品を輸出するという発想ではなく、企業としての「戦い方」や「自社の強み」を見直す視点が芽生えたT社さま。
実際に現地に赴いた経営企画室長さまに、その変化や気づきを伺いました。
Q1 当初の御社の海外展開の状況はいかがでしたか。
海外輸出はゼロの状態でした。
公的機関が主催する日本国内の展示会に出展して海外バイヤーと商談したり、越境EC(Amazon.com)に出展したりしていましたがほとんど実績を上げることができませんでした。
Q2 助言により、海外展開に良い変化はございましたか。
フィージビリティスタディという形で初めて現地を訪問し、様々なヒアリング機会をつくることで、生のニーズを取得することができました。
商品をローカライズするべきところや販路など、具体的な施策を立案することができました。
小川さんの助言によって、現地に訪問する目的にそったレベルの高い準備があったからこそ実現できたのだと思います。
Q3 具体的にどのような点が役に立ちましたか。
準備の段階で以下の具体的なアドバイスが役に立ちました。
プレゼン資料など外国人への伝え方の重要性を学びました。
日本人は空気を読むハイコンテクスト文化であり、ローコンテクストであるアメリカ人にはどれだけかみ砕いてわかりやすく説明する必要があるかが理解できました。
また、小川様の人脈による通訳の方や特許事務所の方を紹介いただき効果的に活用できたことも役に立ちました。
特許事務所の方は今でも依頼をさせていただいております。
Q4 海外展開に関して他の専門家やコンサルタントにご相談されたことはありますか。ある場合、比較していかがでしたか。
セミナーなどにはよく行きましたが、多少の知識はつくのでしょうが、ゼロスタートだとほぼ行動に移らないのでないでしょうか。
ゴール、タスク、期日等の具体的なアドバイスを受けながら確実に準備を遂行していくことが必要だと思います。
Q5 海外展開をご一緒する中、何か印象に残っていることがあれば教えてください。
海外展開を成功するには国内の経営戦略自体をも見直すことになると初めに言われたことがまず印象に残っています。
自社の強みであったり、知財権の重要性であったり、マーケティングの考え方など海外展開を考えるにあたり、あらためて自社の戦略があいまいな部分が多いことに気づきました。
また、実際に今までコンサルされてきた経験をアドバイスとして話していただけたことも印象に残っています。
実務的なこともそうですが、
海外展開をやり始めることの担当者の苦悩や、それをどう乗り越えてきたかの話を聞くと、
挑戦している同志が同じ思いをして目標に向かっていることがわかり、励みになりました。