L社さま
工業用テープ生地の企画製造販売/大阪市

ビジネス英語も、海外で通用する商品もない中、5回目の海外展示会に挑んだL社さま。
準備万端のつもりだった展示方法に対し、「それでは伝わらない」という衝撃の助言が入りました。
L社さまの会社概要と事業内容
【業種】 工業用ミシン糸、テープ(細巾織物)、生地 企画・製造・卸・販売(直営店舗)
【資本金】 1000万円
【売上】 4億8千万円
【従業員数】 12人
【設立】 1988年
海外展開を始める際の課題
- イタリアでの海外展示会(5回目)をより成果につなげたい
- これまで一定の手応えはあるが、商売としての拡大には至っていない
- 展示方法や訴求の仕方、社員巻き込み型の準備に手応えが持てていなかった
支援で実現した実務的ステップ
- 展示会で成果を出すためのPR戦略や展示ブース改善の助言
- 「3〜4秒で伝える訴求」や「座らない展示」など実践的なアドバイスを実行
- 社員を巻き込んだ展示方法の大幅修正を短期間で遂行
- 海外展示会における商談の考え方や引き合いの取り方を指導
支援後に見えてきた成果
- イタリア展示会で過去最高のオファー数を獲得
- 来場者が他のバイヤーを連れてくるなど、関心の連鎖が生まれた
- エージェントとの話も進展し、流通拡大のきっかけに
- 「覚悟の再確認」が社員間にも共有され、全体の士気が向上
社長さまのコメント
海外展示会への出展準備が大詰めを迎えていたL社さま。
しかし、本番直前に寄せられた助言が、計画を根本から見直すきっかけとなりました。
限られた時間の中で社内総動員の修正作業に取り組むなか、挑戦への姿勢や覚悟がさらに研ぎ澄まされていきました。
ここからは、そのときの出来事と成果を、社長さまご自身の言葉でお伝えします。
「3〜4秒で何をしているか伝えないと、選ばれない」
当社は、ミシン糸の製造販売からスタートし、鞄や、靴などの工場さんに繊維系の資材を納める仕事をしております。
縫製の仕事が中国をはじめとする東南アジアにシフトするなかで、国内で品質の良いもの、オリジナリティのある資材を開発し、差別化を図ることで国内の一流メーカー様より高い評価をいただいております。
しかしながら、国内市場が将来頭打ちになることを見据え、海外への販路開拓に取り組んでいました。
世界最大級展示会への挑戦と成長の軌跡
具体的には、イタリアで開催される展示会に出展していました。
なぜイタリアかというと、その展示会が業界では世界最大であり、イタリアだけでなく欧米系を中心に広く世界から各ブランドのデザイナーやMDが最新の素材を探しに集まるからです。
ビジネス英語も、貿易実務も、海外で通用する商品もない状態から飛び出し少しずつ体験をしながら習得、商品力も向上していました。
5回目の出展を迎えるタイミングで小川さんに出会いました。
この時は少し輸出はしていましたが、まだまだ商売と呼べるレベルではなく、展示方法、PRの仕方などを相談しました。
社員を巻き込みながら、展示会の準備を進め本番まで約1ケ月の時に、答え合わせくらいの気持ちで相談に訪れましたが、その時の小川さんのアドバイスは衝撃的でした。
“覚悟”を試された1か月前の決断
「1000社出展しているなかで自分の会社を選んでもらおうと思うと3~4秒で何をしているか訴えないといけない」
「その場でサンプル注文をいただかないと、また後で連絡するね=連絡なんてない」
「イスや商談テーブルなんて要らない」
「座っている余裕なんてない」
「3日間展示会に立ったら神経を使って2~3キロ痩せるくらいでないといけない」
などなど!
問題点、課題、修正点すごい量の宿題をいただいた後、
「私できない人にはいいません。社長さまならできると思ったから言ってます。」という殺し文句。
やらなしゃ~ないですね。
会社に帰って、決まっていたことをひっくり返し急ピッチで修正をしました。
覚悟が導いた展示会での大盛況
結果、お客様がお客様を連れてきて下さるなど大盛況でした。
お客様のご要望も聞きながら、商品についての対話を深めることもできました。
また、当社の商品を取り扱いたいというエージェントとも話が進行しています。
プロモーションに対する的確なアドバイスはもちろんですが、一番教えていただいたのは「覚悟が足りない」ということだったと思います。
もちろん以前から覚悟を持って海外の販路開拓に取り組んでいましたが、 おいしいイタリア料理とワインを堪能して、太って帰ってくるようではまだまだ未熟ということですね。
今後ともご指導いただきたいと思っています。